・後頭神経は頚椎2番、3番から走行する神経(頚神経で、首の上部の神経) で、
後頭部へは大後頭神経、側頭部で耳の後ろへは小後頭神経が走行します。
後頭神経痛の原因が上部の頚椎(首の背骨)周辺の血管による圧迫の場合が稀にあります。
三叉神経痛や舌咽神経痛の場合と同じで、痛みの原因が血管に存在します。
・頭をぶつけたなどの外傷によっても神経が傷つき炎症を引き起こす場合があります。
これによっても後頭神経痛が発症します。
・後頭神経は頚椎の上部の神経から走行していて、首の骨が歪んだり、変形が生じたりした時
によっては、後頭神経に何かしらの刺激を与えます。これが原因となって後頭神経痛を
出す事が多くあります。
■後頭神経痛の症状
・後頭神経痛の多くは大後頭神経の痛みです。症状は後頭部を中心に、片側の後頭部、頭頂部、
側頭部にかけて痛む神経痛で、首の運動、くしゃみ、せきなどで痛みが誘発されます。
突発的なものと持続的な症状に分かれます。突発性の後頭神経痛では、眼窩にも痛みが
あらわれる事があります。
■後頭神経痛の治療
後頭神経痛では、レントゲン、CT、MRIなどで腫瘍の検査が行われます。
腫瘍がなければ血管による圧迫、感染症などを調べます。通常は薬物療法になります。
後頭神経痛が難治性の場合は、神経ブロック療法が有効です。
薬物療法が効果なく、症状が長引いた場合、外科的な治療法(血管性の疼痛や頚椎
異常など)や神経ブロック療法となりますが、これは長期にわたって疼痛を除去する
事は可能ですが、時には合併症が起こることがあるようです。ペインクリニックなどの
専門医の治療が必要となります。