■三叉神経痛とは
顔の神経をつかさどる三叉神経に何らかの異常が生じ、その感覚領域に発作的に電撃痛や
刺痛を生じる病気を三叉神経痛といいます。三叉神経はその名のように、3つに分かれて
います。第1枝は上まぶたから額、前頭部に分布、第2枝は、下まぶた、頬、上唇、
鼻、上歯列などに分布、第3枝は、下顎、舌、外耳、下歯列などに分布しています。
異常が起きている神経枝によって、神経の分布している範囲に痛みが起こります。
第3枝の異常が最も多いといわれています。
■三叉神経痛の原因
三叉神経痛の原因は、脳幹とよばれる主に生命の維持に必須の機能をもった部分から
生じて最終的には顔の感覚を伝えるように分布する三叉神経の脳幹に入る直前の弱い部分に、
脳深部の動脈や静脈が直接ぶつかり、神経を圧迫することによって生じるということが
明らかになっています。
三叉神経痛自体で命をとられるということはありませんが、この痛みは激烈なことが多く、
これが原因でひどいうつ状態になったり、摂食困難になったりすることもあります。
疼痛の頻度と持続時間は変動しますが、時間とともに増悪傾向を示すことが知られています。
■三叉神経痛の治療法
三叉神経痛の治療法には主に内服薬による治療、神経ブロックによる治療、
手術(神経血管減圧術)による治療があります。
内服薬による治療は鎮痛剤、抗けいれん薬、精神安定剤、ビタミン剤などによる治療を
行いますが、あくまでも対症療法のため、決定的な治療法とは言えません。
薬物療法で一向に改善効果がない場合、神経に直接麻酔剤を注射して痛みを抑える
「神経ブロック療法」がありますが、神経を麻痺させると「顔面麻痺」になるので、
皮膚感覚が低下することがあります。
手術(神経血管減圧術)は、1967年にアメリカのジャネッタ医師が最初にこの治療法を
発表して以来、多くの施設でその有効性が確認されています。その有効性を概算すると
90%から95%の患者が重大な合併症を生じることなく、術後完治(痛みの長期の
完全消失)していると考えられています。
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